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COLUMN 05

サブリース契約は解約できるのか。
法律の建て付けと、契約書で見る7項目

2026-08-21 約7分 最終更新:2026-08-21 執筆:株式会社アールラボ

「家賃保証があるから安心」と言われて結んだサブリース契約を、あとからやめたくなったとき何が起きるのか。ここを購入前に確認している方は多くありません。

この記事は損得の話ではありません。やめたくなったときに、やめられるのかどうかだけを扱います。根拠はすべて国土交通省と消費者庁の公表資料です。

CONCLUSION|この記事の結論
  • サブリースではオーナーが貸主、業者が借主です。借主は借地借家法で保護されるため、オーナーからの解約には正当事由が必要になります。国土交通省は、この点を説明しない勧誘を不当な勧誘として禁止しています。
  • 賃料は減額されうるのが前提です。国土交通省は「将来の家賃減額リスク」を告げない勧誘を禁止し、消費者庁も賃料減額をめぐるトラブルに注意喚起しています。
  • したがって実務の問いは「解約できるか」ではなく「契約書の7項目がどうなっているか」です。免責期間・改定周期・改定方法・中途解約条項・違約金・原状回復の負担・入居者との契約形態の7つを見ます。

誰が貸主で、誰が借主か

サブリースは、オーナーが物件を業者に貸し、業者がそれを入居者に又貸しする形です。この構造がすべての出発点になります。

オーナーと業者の間の契約(マスターリース契約)では、オーナーが貸主、業者が借主です。入居者ではなく、業者が借主の立場に立ちます。

賃貸借契約では、借主は借地借家法で保護されます。つまりこの契約では、保護される側にいるのは業者のほうです。

オーナーから解約しにくい理由

借地借家法では、貸主からの解約や更新拒絶に「正当事由」が必要とされています。サブリースではオーナーが貸主なので、オーナーから解約するには正当事由が要ることになります。

これは弊社の解釈ではありません。国土交通省は、賃貸住宅管理業法の不当な勧誘等の禁止(法第29条)の説明の中で、「借地借家法の規定によりオーナーからの解約には正当事由が必要であることを説明しないこと」を禁止行為として挙げています。

出典:国土交通省「賃貸住宅管理業法ポータルサイト/適正化のための措置」

言い換えると、この点を説明せずに契約を勧めることは法律で禁じられているほど重要な論点だ、ということです。

賃料が下がる仕組み

もうひとつの論点が保証賃料の減額です。国土交通省は同じ法第29条の説明で、「将来の家賃減額リスク」を故意に告げないことも禁止行為に挙げています。

消費者庁も「サブリース契約に関するトラブルにご注意ください!」として、賃料減額をめぐるトラブルが実際に発生していることを公表しています。

出典:消費者庁「サブリース契約に関するトラブルにご注意ください!」

賃貸住宅管理業法では、契約前に14項目の重要事項を書面で説明すること(法第30条)が義務づけられており、家賃の改定に関する事項もその中に含まれます。説明を受けた書面が手元にあるはずなので、まずそれを探すのが最短です。

3つの出口

やめ方は大きく3つです。どれになるかは契約書の書き方で決まります。

表1:サブリースをやめる3つの経路
経路成立する条件実務での難易度
① 合意解約業者と話し合って合意する。違約金の定めがあればそれに従う最も現実的。ただし条件は交渉次第
② 期間満了+更新拒絶正当事由が認められること正当事由の判断は個別。弁護士への相談が要る
③ 中途解約条項オーナーからの解約を認める条項があること条項の有無次第。予告期間と違約金がセットのことが多い

※ 定期借家型のマスターリース契約であれば、期間満了で終了する建て付けになります。契約書の種別を先に確認してください。国土交通省は標準契約書として、通常型と定期借家型の両方の様式を公表しています。

様式の参照:国土交通省「サブリース住宅標準契約書」

契約書で見る7項目

「解約できるか」を先に聞くより、次の7項目を読むほうが早く答えが出ます。すべて契約書と重要事項説明書に書かれている項目です。

表2:契約書と重要事項説明書で確認する7項目
#項目見るポイント
1免責期間契約開始から賃料が支払われない期間。入退去のたびに発生する定めになっていないか
2賃料の改定周期2年ごとか、それより短いか。「協議のうえ改定できる」だけの記載になっていないか
3賃料の改定方法何を基準に改定するのか。基準が書かれていない場合、実質は業者の提示額になる
4中途解約条項オーナー側からの解約が認められているか。予告期間は何か月か
5違約金賃料の何か月分か。オーナー側と業者側で対称になっているか
6原状回復の負担入退去時の原状回復費用をどちらが負担するか。保証賃料の実質的な水準がここで変わる
7入居者との契約形態解約したとき、入居者との契約がオーナーに引き継がれるのか。引き継がれない場合は空室から再スタートになる
7項目のうち4・5・7の3つが、やめたくなったときの難易度をほぼ決めます。ここだけでも先に読んでおく価値があります。
手元の契約書でこの7項目を確認したい方へ。初回診断(60分・8,800円)で、契約書を見ながら整理します。

解約に踏み切るときのコスト

合意解約が成立したとして、何にいくらかかるのかを金額で置いておきます。以下はすべて弊社が置いた仮定値で、実際の金額は契約書の定めによって変わります。

表3:解約に踏み切るときの想定コスト(保証賃料 月92,000円のケース・すべて仮定値)
項目置き方金額
違約金保証賃料の6か月分55.2万円
解約後の空室実勢賃料82,000円で2か月16.4万円
募集広告料実勢賃料の1か月分8.2万円
原状回復1回分10.0万円
合計89.8万円

※ 違約金の定めがない契約もあります。逆に、入居者との契約が引き継がれない建て付けであれば、空室期間はこれより長くなります。

この90万円を「高い」と見るか「毎年の賃料差より安い」と見るかは、賃料の推移を年あたりの金額に直して比べれば決められます。感情ではなく、差額と期間で決まる話です。

購入前なら、確認できることがある

まだ契約していない段階であれば、確認の順番は簡単です。

  1. 重要事項説明書を受け取り、説明から契約まで期間を空ける。 国土交通省は、説明から契約まで1週間程度の十分な期間をとることが望ましいとしています。
  2. 表2の7項目を、書面の該当箇所を指してもらいながら確認する。 口頭の説明ではなく、書面のどこに書いてあるかを見ます。
  3. 保証賃料が「いつ」「どう」変わるのかを、過去の改定実績で聞く。 同じ業者の他物件で、実際に何年目にどれだけ改定されたかを聞くのが最も具体的です。

すでに契約している場合は、①〜③の代わりに手元の契約書を読むことになります。個別の契約の効力や正当事由の有無は法的な判断になるため、実際に解約へ動く際は弁護士にご確認ください。

よくある質問

サブリースは結局やめたほうがよいのですか

この記事は損得を判定していません。管理の手間が減ることや、空室時の収入が安定することには価値があります。問題になるのは、やめたくなったときにやめられる条件になっているかどうかです。契約書の7項目を読めば、その難易度が分かります。

「賃料は減額しない」と契約書に書いてあれば安心ですか

国土交通省は、将来の家賃減額リスクを故意に告げないことを禁止行為としており、消費者庁も賃料減額をめぐるトラブルに注意喚起しています。特約の効力は個別の契約と事情によって判断が分かれるため、書いてあるから絶対に減額されない、とは考えないほうが安全です。効力の判断は弁護士にご確認ください。

業者から「解約はできません」と言われました

合意解約はいつでも可能です。できないと言われているのは、オーナー側の一方的な解約や更新拒絶のことだと思われます。まずは契約書の中途解約条項と違約金の定めを確認し、そのうえで交渉するか、弁護士に相談するかを決めることになります。

解約したら入居者はどうなりますか

契約の建て付けによります。入居者との契約がオーナーに引き継がれる定めであれば、そのまま賃料が入り続けます。引き継がれない場合は空室から再スタートになります。表2の7項目のうち、金額への影響が最も大きいのがこの項目です。

相談すると、解約するように勧められるのではないですか

弊社は投資用不動産の販売・媒介を行わず、管理業も行いません。解約しても弊社に収益は発生しないため、続けたほうがよいという結論であればそのように伝えます。

まとめ

サブリースではオーナーが貸主、業者が借主です。借主が借地借家法で保護される以上、オーナーからの解約には正当事由が必要になります。国土交通省が、この点を説明しない勧誘を禁止行為として挙げているのはそのためです。

賃料も減額されうる前提で設計されています。だから問いは「解約できるか」ではありません。契約書の7項目がどう書かれているか。それだけが、やめたくなったときの難易度を決めます。

その契約書の7項目を、
一緒に読みます

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この記事の前提と、その出どころ

本文の試算は次の一次情報を参照して前提を置いています。記事中の金額そのものは弊社が置いた仮定値であり、出典元が公表している数値ではありません。

出典の確認日:2026-08-21

本記事の試算はいずれも一定の前提に基づく概算であり、収益・売却価格・融資条件・税額を保証するものではありません。実際の数値は物件・地域・金融機関・時期によって異なります。個別の税務判断は税理士に、法務判断は弁護士・司法書士等の専門家にご確認ください。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。
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